ケーブルテレビもデザインも“設計してつなぐ”仕事

名古屋支店 デザインセンター 三原田基行

まさかMacとデザインを学ぶことになるなんて

去年(2018年)の夏頃だったと思います。新しくデザインセンターというセクションを立ち上げるので、興味のある人いますか? という話があり、自分から手を挙げました。「新しいことをイチから勉強するチャンスじゃないかな?」と思ったんです。現在はグループ企業である「EDP graphic works」に出向し、モーショングラフィックデザインや映像を学んでいる最中です。

 

僕は美大卒ではなく、これまでの仕事もデザインや映像の分野とは畑違いです。大学卒業後は東京で7年ほど叔父の建設会社を手伝ったのち、地元である名古屋に戻ってケーブルテレビの工事会社に入り、そこでまた7年くらい現場の仕事に携わりました。&には2年前に入社して、ケーブルテレビ工事の管理業務をメインに仕事をしていたんです。

 

ですから、いまの状況は我ながらビックリですね。こんな展開になるとは予想さえしませんでした。代官山のオフィスで、Macの使い方に始まりイラストレーターやアフターエフェクトといったデザインや映像のソフトを勉強しているなんて。

 

仕事の内容はもちろん、職場の年齢層もかなり違います。&の名古屋支店では僕くらいの年齢だと中堅なのですが、EDP graphic worksではほぼ最年長ですから。20代の若いみなさんが一線で働いているのはすごいなあと思います。言葉使いの丁寧さや気遣いの細やかさなど、仕事以外の面でも気づきになることがたくさんありますね。

 

東京に来て半年、まだできることは少ないのですが、いままでやれなかったことがひとつずつできるようになったと感じたり、作業を手伝わせてもらった素材が映像のパーツとして使われているのを見るのはうれしいです。

 

見よう見真似でやりながら気づいたのは、デザインや映像の仕事はケーブルテレビの仕事に近い部分もあるということ。工事をするときも「こういう配線にして仕上がりはこうだ」と頭の中でイメージしながら進めていくわけですが、モーショングラフィックデザインもそれに似たプロセスをへてつくっていくものだということがわかりました。両者に大切なのは“設計”の力なんだと思います。様々なパーツをつないでいくところも共通していますね。

逃げない、裏切らない。チームワークでつないでいきたい

東京には単身赴任で来ています。月に何回か帰らせてもらっていますが、名古屋に戻るとホッとしますね(笑)。小学生の子供が二人いるのですが、「お父さん、どんなお仕事やってるの?」なんて興味を示してくれてます。もうちょっと力がついて名古屋支店に戻ったら、まずは子供の写真を使ってモーショングラフィックデザインを作ってみたいですね。

 

あと半年くらいが“留学期間”で、その後、名古屋に戻っていよいよ本格的にデザインセンターを立ち上げていくことになります。具体的に何をしていくか? についてはまだ構想段階ですが、手を動かしてくれる方々とチームを組んで、様々なプロジェクトを動かしていくことになるでしょう。あくまで現段階でのイメージですが、&は防災無線などの公共工事も手がけていますので、自治体のムービーを制作するといった仕事もありうるかもしれません。

 

その際のプロデューサーやディレクターとしての役割が、僕に求められているのだと思います。そのためにはテクニカルなスキルだけでなく、制作フローやクライアントとの折衝など様々なことに通じている必要がありますから、学ぶことはまだまだたくさんあります。

 

不安がないと言えば嘘になるんですけど、いままで積み重ねてきたことも生かしながら、できることから少しずつ形にしていくしかないと思います。これまで仕事の上では、「逃げない」「裏切らない」のふたつを自分の中で大事にしてきました。ようは責任感を持つということなのですが、人の信頼を損なうことだけはしたくないんです。

 

ケーブルテレビの仕事でも、僕たちにとってはたくさん受注した中の1軒の工事かもしれません。しかし、お客様にとっては1回だけの工事ですから。その中で信頼関係を構築することは絶対必要ですし、逃げることなんてできませんよね。「お前にしかできない」と頼りにしてもらえたときのうれしさは得がたいものがあります。

 

とはいえ、実際にはあるんです、逃げたくなるときも。そういうときは家に帰ってお酒を飲むとか(笑)。リフレッシュすれば次の日からまた新しい気持ちで仕事に向き合えます。人に相談するのも大事じゃないでしょうか。前の会社に勤めているときから、&という会社は「物事に柔軟に対処する会社だな」と思って見ていたのですが、入ってみると明るさとチームワークが持ち味で、困ったときも助けてくれる人がいます。

 

そう考えると、この新社名はピッタリなんですよね。人と人もそうですし、ケーブルとケーブル、仕事と仕事もつないでいく。デザインセンターはどんな新しいプロジェクトを会社につなぐことができるか、いまから楽しみにしているんです。